飲食業の気になるあれこれブログ

食に関する無駄知識や、今の世の中に関することをたまに呟きます。

1000円前後のランチについてくるサラダには人件費がかかっている。

※はじめに、例外はあると断っておきます。

 

2000円以内で食べられる、ちょっと贅沢なランチには、メインの他にミニサイズの皿がついてくることがしばしば。

 

 

ワンプレートのランチでも、あまり日常生活では見かけない“サニーレタス“や“ロメインレタス“、“フリルレタス“を使った。

 

 

インスタ映えするサラダが添えてあります。

 

 

そんなサラダですが、とてもフレッシュでボリューミー、ドレッシングもお店によって個性があり、そのお店の力量を観られる前菜でもあります。

 

しかし、それを知らないお客さん、スタッフは意外と多いのです。たかが、葉っぱ。

 

 

されど、葉っぱです。

 

 

この葉っぱに対するこだわりは、まず育ての親である農家さんから始まります。

 

 

レタスって毎日スーパーで買い物をする人ならわかるかもしれませんが、値段の変動、品質の変動がとても大きい野菜です。

 

 

台風の時期には葉っぱが育たない、泥が多い。梅雨の時期には傷みがひどい、虫が多い、などなど。

 

 

これほどデリケートな野菜を、農家の方は飲食店の要望に合わせて選別しています。

 

 

そうして店舗に届いたレタスたち。

 

飲食店では、大量に客を捌くランチタイムでセットのサラダのために大量のレタスを食べやすい大きさにちぎり、洗い、水気を切ります。

 

 

あのどデカいロメインレタスを10束とか、それ以外のサイズなら30束という単位で、葉をちぎり、汚いところは外し、芯を除いて、異物が入らないようによく洗い、その水気をサラダドライヤーで全て乾かします。

 

 

余談ですが、葉っぱというのは金属に弱く、包丁で切るとその部分が変色してしまうので、なるべく手で優しくちぎります。

 

 

ちぎり方にもコツがあり、葉っぱをいかにフワッと、パリッと、見せるかが、職人の腕の見せ所です。

 

 

この作業を前日にやるともちろん葉っぱの鮮度は落ちてしまい、季節によっては腐ってしまいますから、

 

朝、届いたレタスをランチがオープンする11時くらいまでに、サラダにしなくてはなりません。

 

 

私の今まで働いてきた飲食店では、だいたい、朝の10時に出勤し、まずは1人、サラダの準備に入ります。

 

 

慣れたベテランは30分で50束のレタスを捌きますが、慣れていない人だとそれが2時間かかります。

 

それくらい、このポジションは飲食店の稼働率を左右する重要な存在なのです。

 

残念ながら、飲食店において葉っぱちぎりの仕事における手当はないので、ベテランも新人も同じ給料です。

 

そこまで労力をかけて作られているランチのサラダ。

 

 

虫が入っていたり、髪の毛が入っていたりはもちろん全て飲食店側の責任です。

 

 

が、ふと周りの席を見渡して、これだけの客のサラダを1人で朝から作っていたんだと思うと、

 

多少のトラブルは、目を瞑ってもいいかなと思えては来ないでしょうか。

 

 

尚、実際に異物が入っていた場合はすぐに新しいものと交換いたしますのでお気軽にスタッフまでおっしゃってくださいませ。